大関になる条件は？関脇に降格する条件も解説！厳しすぎる相撲の世界とは

大関になる条件は？

大相撲における大関は、横綱に次ぐ番付上の最高位であり、多くの力士が目指す重要な地位です。しかし、大関に昇進するためには厳しい条件があり、単に強いだけではなれません。本記事では、大関になるための具体的な条件や、その背景について詳しく解説します。

1. 大関昇進の基本条件

大関になるためには、以下のような条件を満たす必要があります。

(1) 三役（関脇・小結）で3場所の合計勝ち星が33勝以上

大関昇進の基本的な基準は、**「直近3場所の合計で33勝以上」**です。特に関脇でこの成績を残すことが重要視されます。

例えば、以下のような成績を残した場合、大関昇進の可能性が高まります。

このように、安定して二桁勝利を続けることが、大関昇進の最低ラインとなります。

(2) 安定した成績と優勝争いへの関与

単に33勝以上を挙げればよいわけではなく、以下のような点も考慮されます。

• 優勝争いに絡んでいるか（準優勝経験など）
• 対戦相手が強かったか（上位力士に勝利しているか）
• 取り口（相撲の内容）が安定しているか

特に、昇進の審議をする「横綱審議委員会」では、「勝ち星の内容」も厳しくチェックされます。

2. 例外的な大関昇進

過去には、33勝に届かなくても大関昇進した力士も存在します。

(1) 貴ノ浪（1994年昇進）

• 3場所の勝ち星が 31勝 だったが、優勝経験があったため昇進。
• 内容が評価され、特例的に昇進が認められた。

(2) 栃ノ心（2018年昇進）

• 3場所の合計勝ち星は 37勝 と大きく上回る成績。
• そのうち1場所で優勝（14勝1敗）したことが決め手となり、昇進が決定。

このように、33勝に満たない場合でも、「圧倒的な強さ」や「優勝経験」がある場合は、大関に昇進できるケースがあります。

3. 大関昇進後に求められるもの

大関は横綱に次ぐ地位であり、「大関としての責任」が求められます。昇進後は、以下のような要素が重要になります。

(1) 安定した二桁勝利

大関は、「横綱を目指す番付」としての役割もあるため、最低でも毎場所10勝以上を挙げることが期待されます。もし、勝ち越しギリギリの成績が続くようであれば、「実力不足」と見なされてしまいます。

(2) 優勝争いに絡むこと

大関は、横綱とともに相撲界を引っ張る存在であるため、常に優勝争いに加わることが求められます。もし、大関として数場所にわたって優勝争いに絡めないと、批判の声が高まることもあります。

(3) ケガとの戦い

大関は上位力士との対戦が多く、ケガのリスクも高くなります。特に、ケガで成績が低迷すると、「関脇陥落の危機」に陥ることもあるため、体調管理が非常に重要になります。

4. 大関昇進の難しさ

近年、大関昇進は非常に厳しくなっており、昇進する力士の数は限られています。その理由として、以下のような要因があります。

(1) 大関の壁が厚い

大関に昇進するためには、関脇で連続して好成績を残さなければならないため、一時的に強い力士ではなく、安定して強さを発揮できる力士でなければ昇進できません。

(2) 横綱との差が大きい

大関と横綱の間には、大きな差があります。横綱になるには「2場所連続優勝」が求められますが、大関昇進の条件（33勝以上）とはレベルが異なるため、大関のままで終わる力士も少なくありません。

(3) 大関昇進後の維持が難しい

大関になること自体も大変ですが、大関として長く活躍することも難しく、多くの力士が関脇に陥落してしまいます。そのため、「昇進しても長く活躍できない」と言われることもあります。

5. まとめ

大関になるための条件は、

1. 直近3場所の関脇（または小結）で33勝以上を挙げること
2. 優勝争いに絡む安定した成績を残すこと
3. 横綱審議委員会による「相撲内容の評価」をクリアすること

ただし、過去には33勝に満たなくても昇進した例があり、優勝経験や圧倒的な実力があれば例外的に昇進が認められることもある。

大関に昇進した後は、

• 二桁勝利を安定して挙げること
• 優勝争いに絡むこと
• ケガを防ぎながらコンスタントに結果を残すこと

が求められるため、大関としての責任は非常に重い。

近年では大関昇進の基準が厳しくなっており、安定して好成績を残せる力士でなければ昇進できないため、今後の若手力士の活躍に注目が集まる。

関脇に降格する条件は？

大相撲において、大関は横綱に次ぐ高い地位を持ちますが、成績が振るわない場合は関脇に降格することがあります。大関の地位を維持するためには安定した成績を求められ、一定の条件を満たせない場合は関脇へ降格する「大関陥落」となります。本記事では、大関が関脇に降格する条件やその背景について詳しく解説します。

1. 大関の降格ルール

(1) 大関は「2場所連続負け越し」で関脇に降格

大関は通常、負け越しただけではすぐに降格することはありません。しかし、2場所連続で負け越すと、関脇へ陥落してしまいます。

例えば、以下のような成績の場合、大関から関脇に降格します。

大関は通常「10勝以上が期待される地位」ですが、9勝以下が続くと、番付を維持するのが難しくなるという厳しいルールがあります。

2. 「カド番」とは？

(1) 1場所負け越すと「カド番」になる

大関が1場所負け越すと、次の場所で「カド番（角番）」という状況になります。

カド番とは、大関が陥落の危機に立たされている状態を指します。カド番の大関は、次の場所で勝ち越せば地位を維持できますが、負け越すと関脇に降格します。

例えば、以下のようなケースです。

逆に、カド番の場所で8勝以上すれば、大関の地位を維持することができます。

3. 大関陥落後の「1場所限定の救済措置」

(1) 10勝すれば「大関復帰」できる

大関が関脇に降格した場合、翌場所で10勝以上すれば大関に復帰できるというルールがあります。

例えば、以下のようなケースです。

この制度により、一度大関を陥落しても、翌場所に好成績を残せばすぐに復帰することが可能です。ただし、9勝以下の場合は関脇のままとなり、再び大関に昇進するためには通常の昇進条件（3場所合計33勝以上など）を満たさなければなりません。

過去にこのルールを利用して大関復帰した例として、以下の力士が挙げられます。

(2) 大関復帰を果たした力士の例

• 貴景勝（2023年）
  • 2022年11月場所で7勝8敗 → 関脇降格
  • 2023年1月場所で10勝5敗 → 大関復帰
• 栃東（2004年）
  • 2003年11月場所で7勝8敗 → 関脇降格
  • 2004年1月場所で10勝5敗 → 大関復帰

しかし、逆に大関復帰できなかった例も多く、大関に戻るのは簡単ではありません。

4. 大関陥落の要因

(1) ケガによる成績低下

大関から陥落する原因の多くは、ケガによる不調です。

• 膝や腰のケガが多い
• 休場が続くと、勝ち越しが難しくなる
• ケガを抱えながら出場して負け越すケースが多い

実際に、大関経験者の多くがケガによる成績低下で関脇に陥落しています。

(2) 成績の安定感の欠如

大関は基本的に「優勝争いに絡むこと」が求められる地位ですが、成績が安定しないとカド番を繰り返し、最終的に関脇へ陥落することになります。

• 10勝前後を維持できない力士は、すぐにカド番になる
• 連敗が続くと、自信を失い悪循環に陥る

こうした要因で、大関のまま長期間活躍することが難しくなっています。

5. 関脇降格後の復活は難しい？

関脇に降格した後、再び大関に復帰できる力士は多くありません。その理由として、

1. 10勝しないと大関復帰できない厳しいルール
2. 精神的なプレッシャーが大きい
3. 年齢的にピークを過ぎていることが多い

特に、関脇降格後に9勝以下だった場合、通常の昇進条件（3場所合計33勝以上）が必要になり、再昇進のハードルが一気に上がります。